今回は、前回に引き続き水回りということ「浴室リフォーム」の現場調査について解説していきます。

前回の記事内容はこちらからご覧いただけます。

【リフォーム現場調査】:浴室のリフォームのきっかけ

浴室のリフォームのきっかけとして一番にあげられるのは「老朽化」です。

築10年を過ぎたあたりからリフォームを検討する方が増えはじめるといわれています。

あるアンケート調査では、リフォームの理由として下記のようなものがあげられています。

築20~25年前後がお風呂のリフォームどき!その理由とは!?/SUUMO(スーモ)リフォームタイムズ

他にも、ライフスタイルや居住者の年代に合わせて、最適な設備に変えたいという声もあり、節約やエコ、バリアフリーに対する新しい設備が多く発売されているため、リフォームを行うお客様も増えています。

そんなお客様の希望・理想の生活を叶えるためにも、現場調査は大切です。
浴室の現場調査のコツを見ていきましょう。

浴室リフォーム時の基本的な確認事項

①建物構造を確認する

まずは建物の構造の確認をしましょう。 構造は4つの種類があり、それぞれ注意点が異なります。

1:木造軸組構造

2:木造壁式構造

木造のため、木部の傷みや白アリに注意すること。2×4工法の場合、輸入住宅と日本メーカー住宅でモジュールの違いがあるため、確認しておく。

3:ラーメン構造(中高層のマンションに多い)

ユニットバスの場合、梁がユニットの裏に隠れている可能性があるため、梁と柱の位置に注意すること。

4:壁式構造(5階以下の低層マンションに多い)

築年数が50年近い場合、タイルや塗り壁を現場で仕上げている浴室も多くみられるため注意が必要。また、給湯器や排水管の場所も確認しておく。

②浴室のタイプ

浴室のタイプには2つあります。それぞれ確認事項が異なるため、特徴やメリットデメリットを把握して現調に望みましょう。

在来浴室とシステムバス(ユニットバス)の違い

在来浴室とは、基礎や床、壁などを現場で作り上げるオーダーメイド技法で、かつての戸建住宅によくみられます。

一方システムバス(ユニットバス)は、工場で製造された浴槽や床、壁などのパーツを選び、現場で組み立てて設置するものです。

在来浴室と比較すると、効率的な工事が可能なため、工期も短く、費用も抑えられる傾向にあります。 在来浴室のリフォームの場合、ほとんどが「システムバスにしたい」という要望です。

現代だと、機能性の高い設備もたくさんありますので、エコやバリアフリーも考えるとシステムバスのほうがお客様の希望を叶えやすくなっています。

その反面、システムバスにも規定の制限があるというデメリットもあります。ここを納得していただきながら、希望を叶えるために現調が役立ちます。

その他、工事の規模感や浴室の傷み具合なども確認しておくことが大切です。

木部の劣化がどのくらい進んでいるのかは、タイルのヒビやコーキングの劣化状態で確認できます。シロアリによって床下も傷んでいる可能性も頭にいれましょう。

③浴室のタイプ別の確認ポイント

ここからはタイプ別の確認ポイントです。 その前に、どちらのタイプも共通で採寸が必要な箇所は下記になります。

採寸必要箇所

  • 浴室内サイズ
  • 浴槽の内寸、外寸
  • ドアのサイズ
  • 段差

在来浴室の場合

在来浴室の場合、下記のサイズの採寸や注意が必要です。

1:高基礎の有無

・高基礎の確認は、音を聞き分けて行います。浴槽周りの腰より低い位置の壁を叩いてみましょう。高基礎を確認する意図は「有効寸法を広げられるか」と「傷みの確認」です。
高基礎がない場合、タイルをはつる(削り取る)ことで、サイズUPができる可能性もあります。その場合は図面があれば断面図を確認しておきましょう。

2:スイッチや窓の位置

・浴室の入口にスイッチがあり、枠から100mm以上離れてる場合は、柱がある可能性が高いため、確認が必要です。

柱があると、700mmサイズのシステムバスしかいれられない可能性が高くなります。

・窓の位置  窓は元々のものを再利用できればいいですが、交換しないといけない場合もあります。

壁際まで窓がないか、窓が洗い場の水栓の上にないかを確認しましょう。その他、浴槽上から窓下、天井から窓上なども採寸が必要です。

システムバス(ユニットバス)の場合

システムバスの場合、下記のサイズの採寸や注意が必要です。

1:躯体(くたい)サイズ

・天井点検口から天井までの高さ:天井点検口を開けて採寸を行います。

ここにデッドスペースがある場合、サイズアップも提案できます。

2:隠れた梁

梁は図面をみることで位置が確認できますが、天井点検口から直接確認できない場合、隣り合う脱衣所の梁を参考に採寸を進めるとよいでしょう。

④現場調査をする際の注意点

その他に注意する点もいくつかあります。

給湯器設備のタイプを確認

・強制循環タイプ:バスタブに穴が1つあるタイプ(ガスもしくはエコキュート)

・自然循環タイプ:バスタブに穴が2つあるタイプ

・落とし込み式:追い炊きがないタイプ

喚起設備のタイプを確認

・戸建ての場合は、壁付喚起設備が多い。

・マンションの場合は天井換気扇が多く、2室喚起、3室喚起(間接・直接)とタイプがわかれるため、喚起のダクト方向も確認が必要

・床の段差が解消できるか確認

まとめ

今回は、浴室リフォームの現場調査についてご紹介させていただきました。

浴室は、1日の疲れを癒す特別な場所、そしていつも清潔にしておきたい場所です。また、生活には無くてはならない場所ですので、できるだけスピーディーな施工が求められます。

無駄のない作業進行と、お客様の要望に少しでも応えるために、事前の現場調査はポイントを抑えながら行いましょう。

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