前回までは水まわりの現調について、解説をさせていただきましたが、今回はキッチンリフォームの現場調査について、確認すべきポイントを解説していきます。

▽前回までの記事はこちらからご覧いただけます。

【リフォーム現場調査】:キッチンのリフォームのきっかけ

キッチンリフォームをする目安は、築15~20年と言われています。

全体的に老朽化が進み、様々な不具合が出てくるのがこの時期となりますが、設備の耐用年数やキッチンの状態をによってはもっと早い年数でもリフォームを検討する方もいらっしゃいます。

リフォームのきっかけとしてよくあるのは下記の3つです。

  • キッチン設備全体の劣化
  • 蓄積した汚れ
  • 使い勝手(設備・家事導線)

キッチンリフォーム時の基本的な確認事項

現調の目的を理解する

まずは、現場調査の目的を理解することが大切です。

新築とリフォームでは、現場調査の目的も確認事項も異なってきます。しっかり理解したうえで現調に臨めば、細やかな調査ができるようになります。

キッチンリフォームにおける現場調査の目的

    • 測定を行い、どのようなレイアウトのキッチンを設置できるかを確認する
    • 現場の制約と問題点を確認(窓やレンジフードの位置は特に注意する)
    • お客様の要望を聞き出し、事前にお客様と最善の対策を検討をする

寸法の測定方法

キッチンリフォームの際に特に注意が必要な確認ポイントをイラストにまとめました。

上記のイラスト以外にも複数ありますので、詳細な確認ポイントを説明していきます。

①搬入経路の確認と測定

・階段やエレベーターで運べる最大サイズを測定

・エレベーターの使用可否

・駐車場や仮置きのスペースなどもあるか確認

②室内寸法の測定

・幅、奥行き、高さ

・床面の傾きや凹凸

・建物の構造も確認する

・キッチン付近の天井の高さを床面から測定

③キッチンの取り付け壁

壁の裏に下地材があるかを確認。

取り外せない場合は、壁や床を手や足でノックして音で確認する。

④キッチンの間口、高さ、窓、

・キッチンのワークトップの長さ、奥行、高さを測定

・窓額縁の外側で、窓の位置、大きさを測定

・床面から窓額縁の下までを測定

⑤排気口の位置

・換気扇の種類を確認(プロペラファンやシロッコファンなど)

・排気口の位置、直径

・排気方向を確認

室内からの確認が難しい場合は外側から確認する。

⑥水栓、ガス栓

・ガス種やコンセントの位置も確認(幅、高さ)

・配管はシンク下の点検口を開けて確認を行う。不明な場合は撤去時に確認する。

・給水給湯管、排水管の中心位置(立ち上げ位置)がどこかを確認。

Point

配管は建物ごとに様々な取り回し方があるため、構造については詳細をチェックし、お客様の要望通りのリフォームプランが実現できるかを判断する。

⑦照明や火災報知器の確認

・釣り戸棚などが照明にあたらないように確認し、寸法を確認

⑧その他の確認項目

・巾木と廻縁

寸法を測定して、処理の方法を建築業者に事前に確認する

・コンセントや突起物

床や壁、天井に、コンセントやその他突起物がある場合は、位置と厚みを確認する。

・ブレーカー、配線をチェック

IHや食器洗い乾燥機など、既存のキッチンにはなかった機器に電源がとれるかの確認が必要。配線がどのようになっているのかは天井裏を開けて確認をする。

・壁の凹凸や床面の傾きがある場合

水平器をつかって大まかな状態を確認してから、必要に応じてレーザー距離計を使って測定する。

レーザー距離計とは?

距離を計る場合にはメジャーが一般的に使われていますが、この道具だけでは、障害物があるほか、1人で計測する場合に問題が発生します。
そこで便利なのがレーザー距離計です。
レーザー距離計の使い方はとても簡単で、距離計の起点となる位置を決め、対象となるものにレーザーを当てるようボタンを押すだけです。
測定結果はデジタル表示となります。手元がぶれると正しく測定できないので三脚を用いると良いでしょう。
屋外でも測定しやすいようデジタルファインダーが付けられたものも売られており、レーザーの先が正確なのか画面で確認できるようになっているのが特長です。

引用:レーザー距離計の使い方(モノタロウ)

・キッチン以外の食器棚や冷蔵庫がある場合

食器棚や冷蔵庫などの配置、キッチンからの距離を測定。キッチンレイアウト時に影響がないか確認する。

Point

家電製品の一般的な標準サイズを覚えておくことで、後にキッチンスペースの導線を考えるとき参考になる。家電製品はホームページなどからサイズ感をチェックできるので、大体の大きさを把握しておくとよい。

まとめ

キッチンの現場調査は、レイアウトの自由度も高いためチェック項目が多いですが、お客様の要望に応えるためにしっかりと確認・測定を行い、細かな要望やその理由をヒアリングしていきましょう。

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