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2022 10/31 (Mon)
05_現場調査ノウハウ

【リフォーム現場で起こるトラブル】回避のコツは「コミュニケーション」と「DX化」|

はじめに

こんにちは、吉澤です。私は、前回お話をした、住宅点検業務の他に、リフォーム業の元請の現場監督、また営業をしてきた経験もあります。

そんな中で、他社のリフォームにおけるトラブルを耳にすると、「いつになってもリフォーム工事のトラブルというものは無くならないもんだなぁ…」と毎度感じます。

実際、私自身の過去にも、相応のお客様とのトラブルも経験してきまして、いろいろと学んできました。

その経験をもとに今回は、「トラブル回避」のために必要な決定的なポイントをお教えします。

リフォーム現場でトラブルが発生してしまう理由は?

理由①商品が未完成である状態で契約するため

そもそも、購入時には、まだ商品になってない!というのがリフォーム工事です。

車、洗濯機、洋服、食料品など一般的な工業製品は、目で見て、実際に触ったりなどして、状態を確認してから購入をします。

しかし、建築のリフォーム工事の場合は、購入を決定した「契約」の時には、まだ商品(リフォーム後の状態)というものが世の中に存在してない状態ですので、購入してから作成をしていきます。

そのため、お客も工事業者も、「見えてないもの」を想像しながら話をし、契約をすることになります。

その際、工事業者は、今までの経験があるので、大体の想像をつけて工事を進行していくのですが、お客は契約時にイメージをしても、「そのイメージと現実の仕上がりとが一致するかどうか」は、出来上がるまでわからないわけです。

この状態が起こりうる可能性が高いのにもかかわらず、トラブルの元となるため、とても危険なのです。

現実に仕上がる状態よりもずっと高いイメージを想像していれば、仕上がったときの状態が納得いかないことも。そんなときに「言ってたことと違うじゃないの・・・」ということにも発展してしまいます。

工事業者とお客で、「言葉」で共有できていたつもりでも、「頭の中身のイメージ」は、まったく違うことが多々あるものです。

理由②案件毎に異なる方法・仕上がり&やり直しが効かない

リフォーム工事はすべてが一品物(いっぴんもの)です。

その家々で、間取りも違えば、使っている材料も違いますし、お客様の要望によって柔軟に対応することもあるため、毎回の工事が、「特注品」になります。

過去の経験の積み重ねが必要で、1つだけの正解が無く、誰でもどんな状況でも出来るわけではないというのが、トラブルを生む種だと思っています。

自動車や家電などと比べると分かりやすいかと思いますが、市場に出回っている工業製品は、何度も試作品を作り、耐久試験などを経て、合格した製品を大量生産して世に出てきます。

つまり、我々が店舗などで見ている商品は、失敗を繰り返してきて、完成された物で、関係してきた人々の経験が蓄積された成功品が商品として存在しているわけなのです。

それに比べて、リフォーム工事の場合は、その場で実験をしながら成功品を作り上げていくため、そこで必要な能力が「職人の経験」となります。

熟練した職人の場合は、今までの経験をもとに、初めてのケースでもなんなく工事をしていきますが、職人不足が叫ばれているなか、気の利いた技術をもっている職人は更に少ない状況のため、この点もトラブルが発生しやすくなっている原因の一つだと考えます。

理由③施主様の理解度に期待するのが難しい

一生に一度かもしれないリフォームだからこそ、施主様はもっと「知識」や「確認箇所」がわからないのが通常です。

例えば、スーパーに魚を買いにいったら、「あら、形が悪い」「色が悪い」「消費期限ぎりぎりだ」など、普段の買い物に慣れているからこそ、間違った買い物をしないように注意することができますよね。

しかし、リフォーム工事の場合、お客様は完成図でしか思い描けないため、その前の過程で、例えば「どんな情報が必要か」とか「どうやって具体的なイメージを伝えたらいいのか」がわからない状態です。そのため、工事業者頼みになりやすくなります。

お客様も、「工事を発注する」ということに不慣れということを頭に置いた状態で、ヒアリングや現場調査を行っていかないと、トラブルが発生しやすくなってしまいます。

理由④複数の担当者がいるため、ヒアリングや情報共有がしっかり出来ていない

工事に携わる関係者の多さ

工事の場合、大工さんがすべてをやるわけではなく、いろいろな職人さんが協力して、ひとつのリフォームを仕上げていくことが一般的です。

大工、クロス屋、電気屋、塗装屋、そして、それを管理、指揮する現場監督。さらに、最初に窓口となってお客の要望を聞いた営業の方もこれに加わると、かなりたくさんの人が携わっています。

様々な作業を一人の人間がすべてやれることは理想ですが、それぞれの職種で一人前になるためには、相応の年数が必要になるわけです。職種によっては資格が必須なものもあります。そのため、どうしても建築業界では職人が分かれてしまうわけです。

情報共有不足&ヒアリング不足

営業がお客から聞いた要望内容を、しっかりと現場監督、現場の職人に伝わっているかが大事です。

お客と直接接した人からの情報で、現場は計画、準備され、工事が進んでいきます

この情報伝達が間違っていると、お客の意図しない方向へ進んでいってしまいます。まさに、伝言ゲームの状態なのです。

また、「ヒアリング」に関しては、窓口となる担当が、お客様から「どこが困っている」のか「どうしたい」のかをヒアリングし、「何が原因」で「どんな症状」だから「どんな方法」でリフォーム工事をするのかを判断していくをするわけですが、経験が浅い人がヒアリングをすると、本当は聞くべきだった「隠れた質問項目」に気付けず、1回のヒアリングでは十分な情報が揃わなかったり、間違った「原因」を修繕する方法を組み立ててしまうことになります。

窓口となる営業・現場監督と実際の職人は違う人、さらに、情報共有のしずらさもあり、伝言ゲーム状態になることで、お客様の本来の「要望」や「思い」が、作業者にしっかり伝わってないこともあり、そこがトラブルを生む原因にもなります。

トラブルを回避するための対策

リフォーム工事のトラブルの裏にある、根本的な4つの理由について解説してきましたが、それではどうしたらトラブルを防げるのかについて対策を考えてみましょう。

対策①お客様とのコミュニケーションを大事に

やはり、じっくりと打ち合わせをしていくことが大事になります。

時間をつくり、しっかりと工事業者と打合せし、要望を伝え、納得できないことがあれば、しっかりと説明してもらうことでしょう。

また、工事が始まった後も、現場にきている職人、現場監督とコミュニケーションを直接とることで、自分の要望している内容がしっかりと進めてもらっているかを確認することもできます。

ずっとお付き合いする家だからこそ、「自分事」であると認識して、工事をすすめていくことが大事です。工事業者にまかせっきりだと、非常に危険!

リフォーム工事は大きな買い物なので、失敗すると、人生にそれなりの傷を負います。とっても労力のかかることですが、覚悟をして、進めていくことが必要です。

対策②情報共有のDX化

複数の人間が関わる場合、情報の記録方法や手段も異なります。例えば、手書きでメモをして、撮った写真をPCに入れて、大きく印刷をしてそこに書き込む… など、まだまだアナログでの情報記録・情報伝達を行っている会社様も少なくないと思います。

しかしながら、そこを簡単に、そして多くの情報でも正確に伝達できるのが「デジタル」です。

例えば、静止画だけでは伝わらない、現状の様子を「動画」で共有できれば、「音」「流れ」の情報をプラスで得ることができ、より正確な原因の判断が可能になります。

それでは、具体的にはどのようにDX化をすると、情報伝達がスムーズに、そして正確になり、更には業務効率になるのか、2つあげたいと思います。

DX化の具体例

①クラウドサービスやアプリを利用する

クラウドサービスやアプリを活用するメリットは、書類データや画像をクラウド上に保存でき、共有相手がリアルタイムで確認できる点です。

業務で必要なデータをクラウド上で共有することで、必要な際にいつでもアクセスできますし、ネット環境があれば、どこからでもアクセス可能です。

また、住宅関連に特化したサービスやアプリも開発されていますので、業務内容にあわせて検討するのもおすすめです。

②チャットやコミュニケーション・ツールを活用する

社内の連絡や情報共有は、ビジネス用のチャットやコミュニケーション・ツールの活用がおすすめです。

これまでは、メールを使用することが一般的だったかと思いますが、メールの作成や検索に時間がかかったり、情報の整理が難しさにより、情報の把握漏れが起きたり、情報の検索に時間がとられたりすることがあります。

ビジネス用のチャットやコミュニケーション・ツールは、チャット機能だけではなく、タスクの管理やファイル送信など、あらゆる情報共有が可能なため、情報の所在は明確で、意思疎通もしやすくなります。

①のクラウドサービスやアプリの中には、チャット機能も入っているものもありますので、活用することによって、かなりスムーズな情報共有が可能です。

リフォームの現場調査におすすめの便利アプリ「GENCHO」

現調を進めていく中で、「ポイントが多すぎて記録したものの整理が大変」と感じる皆様もいらっしゃるかと思います。

そんな方々に是非使っていただきたいアプリが「GENCHO」です。

「GENCHO」スマホやタブレット一つで、簡単操作可能な「現場調査のために作られた情報共有アプリ」です。

様々なツールに散らばっている情報を一つにまとめ、現調の効率化を促していきます。

筆者プロフィール

吉澤良亮 / Yoshizawa Ryosuke

建築系テックのスタートアップにたずさわる傍ら、外装修繕リフォーム・住宅の点検業務を日々こなしています。

12年にわたる建築業界の経験において、感じることなどを綴っております! note▶▶▶  https://note.com/ryoryo4430/

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